尾道散策ガイド:坂道と猫の細道からしまなみ海道へ

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坂の上に猫がいる街

尾道駅の改札を出ると、目の前に尾道水道が広がっています。対岸の向島までは目と鼻の先で、渡船が絶えず行き来しているのが見えます。ただ、尾道の本当の魅力は、駅から少し歩いた山側にあります。細い路地が幾重にも重なり、石段を上るたびに寺の甍と海の青が交互に見えてくるのです。地図アプリを開いても現在地がわからなくなるほど道が入り組んでいますが、それすら楽しくなってしまう街です。今回は、千光寺と猫の細道を軸に、坂道と路地の歩き方を紹介します。

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尾道観光は三つのエリアで考える

尾道の見どころは、山側の坂道エリア、海沿いの海辺エリア、そして自転車で島々へ渡るしまなみ海道エリアの三つに分けて考えると、旅程を立てやすくなります。坂道エリアは寺社や古い民家が密集する路地歩きの舞台になり、海辺エリアは商店街でのグルメやおみやげ探しを楽しめる場所です。尾道駅を起点にしながら、徒歩でのまち歩きとサイクリング、船を使った移動を自由に組み合わせられるのが、この街の面白いところです。

坂道エリアを歩くなら、ロープウェイで一気に山頂へ上がり、そこから坂道を下りながら寺や路地を巡る順番がおすすめです。体力を使わずに済みますし、下る方向へ進めば国道2号に行き着けるので、大きく迷う心配も少なくなります。

足元の準備を忘れずに

坂道エリアは石畳や階段が続きます。ヒールの高い靴では歩きにくい場面が多いので、スニーカーなど歩きやすい靴で出かけることをおすすめします。

坂道の入口といえば、やはり千光寺です。次はそのビュースポットとしての魅力を見ていきましょう。

千光寺 ― 尾道水道を見下ろす舞台

千光寺

定番の名所千光寺

大同元年(806年)創建と伝わる古刹。高台の本堂から尾道水道と向島、晴れた日にはしまなみ海道の島々まで見渡せる、尾道随一のビュースポットです。

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千光寺は大同元年(806年)創建と伝わり、本尊には千手観音が祀られています。高台に建つ本堂の周辺からは、尾道の街並みと尾道水道、そして対岸の向島までを一望できます。空気が澄んでいる日には東側にしまなみ海道の橋や島々まで見渡せて、瀬戸内の広がりを感じられる場所です。

アクセスは千光寺山ロープウェイか車が便利です。車の場合は千光寺公園内の駐車場に停められ、駐車料は600円(2026年8月時点)。ロープウェイは標高144.2mの山頂と山麓(長江口)を約3分で結び、短い時間ながら空中散歩の気分を味わえます。尾道駅から歩く場合は20分弱かかるので、時間に余裕を持って計画しておきましょう。

千光寺公園にはレストランや売店もあり、ソフトクリームなどの軽い食事を楽しめます。園内には安藤忠雄が設計した美術館もあり、尾道ゆかりの小林和作や平田玉蘊の作品に加えて、フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品も収蔵されています。2階のロビーからの眺めも、この美術館の見どころのひとつです。

千光寺から坂を下っていくと、猫たちが暮らす路地へとつながっていきます。

猫の細道 ― 福石猫が見守る石畳

猫の細道

路地さんぽ猫の細道

幅1〜2m・全長約200mの石畳の路地に、100体以上の「福石猫」が点在。猫グッズの店やカフェを覗きながら、宝探しのように歩ける小路です。

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千光寺の本堂下にある石段を5分ほど下ると、幅1〜2m、全長約200mの細い石畳路地に出ます。ここが「猫の細道」と呼ばれる小路です。尾道出身の画家、園山春二さんが海で拾った丸い石に猫の絵を描いた「福石猫」を路地に置いたことがきっかけで、この名前が定着しました。今では路地のあちこちに100体以上の福石猫が点在していて、探しながら歩くだけでも時間を忘れてしまいます。

路地沿いには招き猫を集めた美術館や、猫グッズを扱う店、雰囲気のあるカフェなどが並んでいて、覗き込みたくなる小さな店が続きます。福石猫だけでなく看板や小物にも猫のモチーフがさりげなく使われていて、運が良ければ本物の猫にも出会えます。

猫に会いたいなら早朝がねらい目

暑い時期は日中の猫たちがあまり活動しないため、早朝6時頃に訪れると出会える確率が上がるといわれています。ひんやりした空気の中で石畳を歩くのも気持ちがいい時間帯です。

美術館の入場は無料です。営業時間は10:00〜17:45、木曜定休とされていますが、変更になることもあるので現地の掲示で確認しておくと安心です(2026年8月時点)。庭は施設が閉まっている時間帯でも終日立ち入り自由になっています。アクセスはJR尾道駅から徒歩約15分、千光寺山ロープウェイ山麓駅からなら徒歩約5分です。

坂道エリアを歩き終えたら、次は海と自転車の旅へと足を延ばしてみましょう。尾道はしまなみ海道の玄関口でもあります。

しまなみ海道サイクリングの入口として

しまなみ海道

絶景サイクリングしまなみ海道

尾道と今治を約70kmで結ぶ、日本初の海峡横断サイクリングロード。橋を渡るたびに島の風景が変わります。手ぶらで走れるレンタサイクルも充実。

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尾道のもうひとつの顔が、しまなみ海道サイクリングの起点という役割です。しまなみ海道サイクリングロードは、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ、日本で初めて海峡を横断できる自転車道で、全長は約70kmにおよびます。橋を渡るたびに違う島の風景が広がり、坂道を歩いた尾道とはまた違うスケールの景色を楽しめます。

尾道駅前や各島内にはレンタサイクルターミナルがあり、輪行の準備がなくても手ぶらでサイクリングを始められます。各地区のターミナルであれば乗り捨ても自由なので、尾道港からスタートして島を渡り、そのままゴール地点で自転車を返却するという回り方もできます。地元のレモンやタコを使った名物グルメを島の途中で味わいながら走るのも、しまなみ海道サイクリングらしい楽しみ方です。

尾道駅から徒歩4分の場所には、一般社団法人しまなみジャパンのレンタサイクル拠点があります。住所は広島県尾道市東御所町11-9 JA尾道市駅前ビル1F、営業時間は8:30〜19:00、定休日はなし(2026年8月時点)。初めてしまなみ海道を走る人には、半日コースなど旅程に合わせたプランの相談もできるので、坂道散策の合間に立ち寄って情報を集めておくのもよいでしょう。

出発前に営業時間の確認を

レンタサイクルの営業時間や料金は変更されることがあります。出発前に公式サイトで最新の情報を確認しておくと安心です。

▶ 尾道観光協会公式:しまなみ海道サイクリングツアーに参加しよう(尾道〜今治70km)

詳しいルートや橋の情報は、しまなみ海道 総合ポータルサイト国土交通省 GOOD CYCLE JAPANでも確認できます。坂道の街歩きと自転車の旅、どちらも尾道駅を拠点にすれば無理なく組み合わせられます。

歩きながら楽しむ尾道の味

  • 千光寺公園の売店グルメ — 公園内にはレストランや売店があり、ソフトクリームなどの軽い食事を景色と一緒に楽しめます
  • 海辺エリアの商店街 — 尾道駅から続く商店街は食べ歩きとおみやげ探しの舞台。坂道散策の前後に立ち寄りやすい立地です
  • 島のレモンとタコ — しまなみ海道の島々では、地元のレモンやタコを使った名物グルメをサイクリングの途中で味わえます

季節で変わる尾道の表情

千光寺公園は”さくらの名所100選”に選ばれていて、春には桜が公園全体を彩ります。坂道を上りながら花を眺められるのは、この時期ならではの楽しみです。秋には「尾道灯りまつり」が開催され、街に灯りが灯る様子を楽しめます。艮神社の境内には樹齢900年ともいわれる楠が立っていて、幹の周囲は約7mにもなり、天然記念物に指定されています。旧市内で最古とされるこの神社も、坂道散策の途中に立ち寄っておきたい場所のひとつです。

季節ごとに表情が変わる尾道だからこそ、桜の時期と灯りまつりの時期とで、それぞれ違う旅程を組んでみるのも面白いかもしれません。

基本情報

スポットアクセス料金・営業時間備考
千光寺ロープウェイまたは車、尾道駅から徒歩20分弱駐車場600円(2026年8月時点)千手観音を本尊とする
千光寺山ロープウェイ山麓駅(長江口)〜山頂駅所要約3分標高144.2mの山頂と結ぶ
猫の細道(招き猫美術館)JR尾道駅から徒歩約15分、ロープウェイ山麓駅から徒歩約5分10:00〜17:45、木曜定休、入場無料(2026年8月時点)庭は施設休館時も立ち入り自由
しまなみジャパン(レンタサイクル)JR尾道駅から徒歩4分8:30〜19:00、定休日なし(2026年8月時点)乗り捨て可能なターミナルあり

観光案内地図は、尾道駅や新尾道駅、ロープウェイ山麓駅、尾道商業会議所記念館などの観光案内所、市内各所の「まちかど観光案内所」で入手できます。ロープウェイで千光寺公園に向かう際に便利な観光案内所は広島県尾道市長江1丁目3-3にあり、手荷物の預かりも行っています。最新の営業状況やイベント情報は、尾道市ホームページでも確認できます。

坂道を上って千光寺から海を眺め、猫の細道で福石猫を探し、最後は自転車で島々へ抜けていく。三つのエリアを組み合わせるだけで、一日があっという間に過ぎていく街です。次に瀬戸内へ足を向けるときは、尾道の坂道から旅を始めてみてはいかがでしょうか。

主要スポットの位置(地図はドラッグ・拡大できます):

ピンをタップすると Googleマップ(経路・営業時間)に飛べます。

ふらりの落款印

参考・出典